本紙第1641 号(平成18年6月8日掲載)

X車(BMW)には予見困難な直近での車庫入れの左折後退Y車に100%過失を認定

東京地裁 平成18年1月24日判決(確定)
事件番号 平成17年(ワ)第6856号 損害賠償請求事件


事実の要旨
@ 幅6b道路左側の車庫に乗用車を入れるため左端停車後に後退したY乗用車とX乗用車(BMW)の衝突の過失割合につき、Xにとって予見困難な「直近に近づいていたにもかかわらず、Y車を左折後退させ」たことにより、事故発生したと認定、Xに「落ち度があったとは認められない」とYの過失相殺の主張を否認した。
A BMWの評価損につき、本質的構造部分の損傷ではないが軽微とはいえないこと、「新車登録から4か月」にすぎないことから、修理費の3割を評価損と認定した。
事実の要旨
原告は、平成16年7月23日午前9時ころ、東京都世田谷区内の幅6bの一方通行路を新車登録4か月のBMWを運転、約30`bの速度で進行中、左端停車中の被告運転の乗用車が直近に迫った段階で急に左折後退をはじめたため左側面部に衝突され、評価損200万円など417万4,080円を求めて訴えを提起した。
裁判所は、左側車庫入れのため左折後退被告車が原告BMWに衝突した事案につき、被告の過失100%と認めた。
幅6b道路左側の車庫入れのため一旦停車し、2〜3台の後続車を通過させた後に後退を開始、原告車と衝突した事故は、「原告車が直近に近づいていたにもかかわらず被告車を左折後退させ」たことに起因する事故と認定、これは原告にとって予見困難で、原告に「落ち度があったとは認められない」と被告の過失相殺の主張を否認した。
修理費約180万円を要したBMWの評価損につき、「本質的構造部分が損傷したものではな」いが、軽微とはいえず、かつ「初度登録から4か月」走行距離5,576`bにすぎない等から評価損を「修理費の3割」と認定した。
籠に入れた犬を助手席同乗中、本件事故が発生、床に転落して、犬が負傷したと認め、犬の治療費を損害と認定した。
裁判所の判断は以下のとおり。

※ 判決文章等の詳しい内容は、本紙掲載号をご参照下さい。