生後6か月児のチャイルドシート不着用死亡事故は原告車の破損、被告の過失等から過失相殺を否認し慰謝料で斟酌した
京都地裁 平成16年8月18日判決(控訴中)
事件番号 平成15年(ワ)第2157号 損害賠償請求事件
事実の要旨
生後6か月女子のAは、平成13年10月22日午後8時30分ころ、京都市山科区内の国道交差点を父運転の軽乗用車助手席同乗の母に抱かれて直進中、右折待機車の後方の対向車線から高速度で進入してきた被告運転の乗用車に左前部を衝突され、押し戻され、Aは脳挫傷等で死亡したため、両親は2,282万6,260円の既払金を控除し、2,967万1,850円を求めて訴えを提起した。
裁判所は、被告の過失、原告車の損壊状況等からチャイルドシート不着用の過失相殺を否認し、死亡慰謝料で斟酌した。
事故後チャイルドシートは後部座席に固定されていたが、後部座席は「衝撃により前のめりの状態で」チャイルドシートに歪みが見られ、一方の被告は降雨時第1車線には停止車両の連なる第2車線を時速70キロメートルで走行、タクシーの発進の様子で急ブレーキ、急ハンドルを切って右側に滑走、対向車線の原告車左前部に衝突、押し戻し、さらに暴走、ガードレール、対向貨物車に衝突停止の過失等から「チャイルドシート不着用の事情について過失相殺を行うまでには至らない」と過失相殺を否認し、「原告らの慰謝料金額算定の考慮事情とする」とし、2,400万円請求の死亡慰謝料を2,150万円認めた。
全労働者で請求の生後6か月女子の死亡逸失利益は、センサス女子平均を基礎に生活費40%控除で認定した。
※ 判決文章等の詳しい内容は、本紙掲載号をご参照下さい。
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